不倫のルール
夜も早い時間に、家の中の灯りが消えている事が多い。

おばあちゃん家の駐車場は、ちょうど家の影になるような所なので、どんな車が駐車されているのか見えずらい。

家の周囲の状況がわかった黒崎課長は、外で会って誰かに見られる危険を冒すよりも、この家で会う事を選んだ。

私は“過ち”を続ける事を選んでしまった……


玲子さんとは、できるだけ二人だけで話さないようにした。

鋭い玲子さんには、黒崎課長との事がすぐにバレてしまいそうに思えたから。

でもそれも、たいして効果はなかった。

黒崎課長との“過ち”から、三ヶ月も経たないうちに美冬に呼び出された。

悪い予感がしながら、金曜日の夜、なじみの居酒屋に行くと玲子さんもいた。

私の様子がおかしいと感じて、美冬に連絡をとったのだ。

いつもはあおるように飲む生ビールの中ジョッキ。乾杯もせずに、それぞれ一口だけ口をつける。

美冬に促されて、黒崎課長との事を初めから話した。美冬にも言ってなかった、まだ黒崎課長との関係を続けているという事も……

美冬と玲子さんからの無言の圧力。

私は小さく息を吐いて、生ビールに口をつける。いつもはおいしいと思うのに、今日は苦く感じるだけだ。

「繭子は知らないと思うけど。秘密にされてる訳じゃないから、言うね」

玲子さんが、私を見つめながら口を開いた。

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