不倫のルール
私を愛してくれるオトコ
美冬の会社の先輩、柴田賢人さんと出会ったのは、一年ちょっと前のゴールデンウィークだった。

デートの予定だった美冬だが、急に彼氏に仕事が入り、キャンセルとなった。

昼間、美冬の愚痴をスマホで聞いていたが、「なら、飲みに行こう!」という事になった。

玲子さんは、四月に五年近く付き合っていた彼氏と結婚したばかりだ。新婚さんのおじゃまはできないので、二人で出かけた。

私は、当然一人で過ごす予定だった。家の中や周りで、なかなか普段できない所をきれいに掃除していた。

飲食店も混むゴールデンウィークだが、二人なら予約なしでも座れるだろうと、気楽な気持ちで、いつも出かける繁華街に向かった。

一軒目、よく行く居酒屋に行った。お店が暗いと思ったら、入口に貼り紙がしてあった。

「「臨時休業……」」

美冬と、思わず声をそろえて読んでしまった……

「こんな事もあるか」と、次のお店に移動する。

次は、イタリアン風ダイニングバーを目指した。

少し歩くが、席数が多いので、今までほとんど断られた事はなかった。

お店につくと、入口の前にボードが出ていた。

「「本日貸切り……」」

またもや二人で声をそろえて読んで、ガックリとうなだれる。

「ついてないね~」なんて美冬と話しながら、もう悪い予感しかしない。

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