不倫のルール
「美冬には……」と言ったら「大丈夫!もうメールしてあるから」と玲子さんに返された。

玲子さんが結婚してから、どうしても一緒に飲みに行く回数が減ってしまった。

「寂しいね~」と美冬とよく話していた。

私も玲子さんも、チャッチャと仕事を終わらせて、ほぼ定時に会社を出た。一旦自宅に戻り準備をして、バスで夜の街へと繰り出した。

七時半過ぎ、いつもの居酒屋に到着する。美冬は、先に来ていた。

いつもの生ビールの中ジョッキを注文して、三人で乾杯した。

だいぶ寒くなってきたけど「とりあえずビール!」だよね。

美冬が半分程煽った。

「美冬、カッコいい!」なんて茶化せば、キッ!と美冬に睨まれた。

「繭子!隠さずに、全部吐きなさいっ!あんたと柴田さん、どうなってるの!?」

漫画の擬音なら、私の顔の横に「ギクッ!」と描かれた事だろう……

予想外の美冬の問いに、私は取り繕う事ができなかった。

「どっ、どうしてそんな事、急に言い出すの?」

動揺を隠せないまま、美冬に言った。

「私も、昨日聞いたところなんだけど……」

眉根を寄せて、美冬が話し始めた。

“営業”という仕事柄もあるだろうが、社内外を問わず、柴田さんと安井さんは、よく飲み会などに誘われるそうだ。

『二人と、お近付きになりたい』という下心含みのものも多いそう。

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