初恋フォルティッシモ
でも、そんなことを直接口にするわけにはいかなくて、俺は麻妃先輩から目を逸らす。
「……居残りとかマジ無理」
「でしょ?だったらほら、早く場所に戻る。練習するっ、」
麻妃先輩はそう言うと、俺の肩を軽く叩いてそう促した。
「……っ」
けど、マジでやってらんねー。
しかも、ついさっきあんな噂話きいたあとだし。
…くそっ。
俺は麻妃先輩の言葉に一応その場を立ち上がるけど、自分の元居た場所に戻るわけでもなく、そのままじっと麻妃先輩の方に目を遣る。
不満を訴えるように、目を細めて。
すると、俺がそんな目をして麻妃先輩を見つめたら、やがてそれに気がついた麻妃先輩が言った。
「…なにその目」
「…」
「今日頑張ったら明日は休みなんだから。ね?ほら、ちゃんと頑張る、」
「…」
「みーしーまーくんっ」
「…~っ、」
っだーもう!
こっちはソレどころじゃねぇんだよ!
俺は麻妃先輩の言葉を聞くと、あまりにも青田とのことが気になりすぎて、
その瞬間あからさまに大きなため息を吐いて、はっきりと言ってしまった。