初恋フォルティッシモ
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「…はぁ」
情けない。
我ながら情けなすぎる。
そして、あの日から数日後。
夏休みが終わって、やっと2学期がスタートをきった今日。
あれから部活は連休に入っていて、今日から久々に部活がまた始まる。
だからあれから俺は麻妃先輩に会っていないし、謝ることさえも出来ていないから何だか朝からずっと憂鬱で。
はぁ…何で俺は麻妃先輩にあんな思ってもいないことを言ったんだよ。
と、午前中の休み時間に、俺はそう思いながら独りため息ばっかで階段を下りていたら、
その時ふいにどこからか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「本っ当にごめん!!」
「…?」
比較的静かな階段にいきなりそんな声が響くから、俺はなんとなく声がした方を歩み寄る。
…いや、でも、普段の俺ならスルーしていたんだろう。
だけどこうやって気になるのは……その声が、麻妃先輩の声だったから。
二階の廊下にある柱に隠れてそっと顔を覗かせると、そこには麻妃先輩と青田が二人きりで立っていた。
「…!」