スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
「何でそんな事されたかわかんないって。あいつ泣きそうな顔で俺に言ってきたよ」

『……』

「芸能人なんだから、いつでも狙われてるに決まってんだろ。軽はずみな事すんなよ!!」


穏やかな平日の昼間に似つかわしくない大声に、道行く人々が俺を振り返る。
岳に対して声を荒げたのは初めてだった。



『軽はずみじゃない。本気だよ』



雑音に埋もれる街の真ん中で
岳の言葉が胸を刺す。


『つーか。何でリョウに怒られないといけないの?』

「え?」

『俺とヒナちゃんの問題だろ?お前は何も関係ないじゃん』
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