スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
裏口から駐車場へまわる。
一本だけ立っている街灯の頼りない灯りが、申し訳程度に辺りを照らしていた。
春木さんは念入りに周りを確かめながらバイクにキーを差し込む。
軽快なエンジン音が響き、私の頭にかぽん、とヘルメットが被せられた。
「行くぞ。」
バイクの二人乗りなんて人生で初めてだった。
自転車さえ何年もまともに乗っていない私にはバランスの取り方が難しく、想像以上に怖かった。
まだ冬の香りが残る夜明けの街を、風を切って走る。
頬が冷たい。手もかじかんできた。
振り落とされないよう、運転する春木さんに必死でしがみついた。
一本だけ立っている街灯の頼りない灯りが、申し訳程度に辺りを照らしていた。
春木さんは念入りに周りを確かめながらバイクにキーを差し込む。
軽快なエンジン音が響き、私の頭にかぽん、とヘルメットが被せられた。
「行くぞ。」
バイクの二人乗りなんて人生で初めてだった。
自転車さえ何年もまともに乗っていない私にはバランスの取り方が難しく、想像以上に怖かった。
まだ冬の香りが残る夜明けの街を、風を切って走る。
頬が冷たい。手もかじかんできた。
振り落とされないよう、運転する春木さんに必死でしがみついた。