スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
「……え?」

「ほとぼりが冷めるまでホテルにいろ。」


春木さんは視線を落とし
淡々と言葉を紡いでいく。



「お前が来てから……時々自分がわからなくなる。」


「お前が側にいると、何でだろうな。冷静でいられないんだ」


「撮りたいものが見えなくなるんだよ。こんな事初めてだ」


「思い通りの写真が撮れなくなったらどうしようって。最近そればっか考えてる」


「自分のペースでもう一度写真と向き合いたいんだ。他のものを全部捨てて。」


「この方法しか思いつかないんだよ」


「俺はまた一人に戻る。」
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