スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
その日の朝、ベッドから降りた途端視界がぐらりと揺れた。


「わ……?」


思わずその場に座り込む。
ひどく気分が悪く、体に力が入らない。


熱があるようだ。


睡眠不足に精神的な疲労も重なり、体調を崩してしまったのかもしれない。


けれど、今日はどうしても事務所に出向く必要があった。


万が一、また事務所に写真が入れられていたら。
少しだけ残した仕事と共に、全て片付けなければ。
春木さんが帰ってくる前に。


春木さんに余計な心配をかけたくない。


その一心で何とか立ち上がった。
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