スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
事務所に到着してすぐにポストをチェックすると、ここにも写真が山のように入っていた。


春木さんに見つかる前に処分できて良かった……。


どうせ家に入っていたものと同じ写真だろう。もう見たくなかった。

顔を背けながらまた持参したゴミ袋に全部突っ込んでビルの中に入る。



全力で走ってきたせいで、ますます体調は悪化していた。


エレベーターを降り、事務所の扉に鍵を差し込んだところで



「あ、れ……?」



急に下半身の力が抜けた。
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