世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-
「...症状が出始めてる」

「えっ?」

「...色への依存、凶暴化。天馬の人格が、壊れ始めてるのかもしれない」

「分かってんじゃん、颯太...早く逃げて、俺、もう駄目かも」


マスターと呼ばれる男は、天馬に近付いた。


「やめて!天馬に何もしないで!」


私は天馬の元に駆け寄る。

そして、天馬の目が赤く染まり、揺れたかと思うと、私の体は床に叩き付けられた。


「遊佐!」


何が起こったか分からない。

分かったのは、数秒後だった。

右頬に感じる鈍痛。
天馬に殴られたのが分かった。
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