世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-
―色

笑顔

「天馬!」

「おはよ、天馬」

「おはよー、坂瀬くん!」


その声に振り返ると、見慣れた3人の姿が目に映った。


「日和、颯太、白河さん。おはよう」


眩しい朝日に、目を細める。

淡い青い空、朝露に濡れてキラキラ光る黄色い花、風に揺れる緑の葉。


あの後俺達は、学校に向かった。

学校までの道は今まで知らなかった色で溢れていた。

そんな景色を目を輝かせながら見る俺に、「タイムスリップしてきた人みたい」と日和は笑っていた。

学校に着いて教室に入ると、先生からの雷が落ちた。

怒りで真っ赤になった顔を見て、いつもこんなに真っ赤になって怒っていたんだなぁと思うと笑ってしまい、更に怒られた。

それから白河さんに全てを話した。
白河さんは驚いていたけど、話を全て聞いた後は優しく微笑んでくれた。
< 152 / 154 >

この作品をシェア

pagetop