片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
彰成様は何も言わなかった。


小陽さん小陽さんと言ってる割には彰成様、当の小陽さんに話しかけなかった。
想い人の小陽さんには直接話しかけられない程、純情なの?
いや、ワザと無視しているのかも。

でも、目は小陽さんを追っている。

「敦司様の元に行ったんじゃなく、旦那の元に行ったのかよ・・・小陽の嘘つき」

彰成様は持っていたグラスのワインを一気に煽る。


小陽さんは拓真さんの元に歩み寄っていた。


「小陽はアイツのそばに居る時、一番いい顔するんだよな・・・」


「小陽さんは一途に拓真さんのコト愛していますから・・・」


「分かってるよ。マジでウザいな。夏芽さんは・・・」


「まだ、諦めていないのか?彰成」

何、この馴染みのある心地の良いボイス??



「うっせぇよ」

彰成様は黒いサングラスを掛けた男性のグラスを奪い、中の液体を煽った。



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