片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「冬也は『緑川派』を継ぐ。その為にも全てを丸く収めなくてはいけない。その為に夏芽さんとは離婚を決意した。夏芽さんも同じキモチだろ?」


「私は・・・」


「離婚を拒むのか?尊と浮気してんだろ?」


「それは嘘だ。俺が平沢に嘘をつかせた」

「嘘でも、冬也の離婚の決意は変わらないと思う。サインしてくれ」


手の平に落ちた粉雪のように儚く消えてゆく短い蜜月。


「分かりました。栗原さん、ボールペンありますか?」


「本当にいいのか?」
事態の深刻化に冷静な栗原さんも慌てる。


「いいんですよ」



「ボールペンならここにある」

彰成様がシステム手帳に挟んだモンブランの万年筆を取り出す。


既に冬也の名前が書き込まれ、捺印もされていた。

私よりも甘い新婚生活を満喫していた冬也。冬也の方が私を深く愛していると思っていた。



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