片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「この離婚届は私達が預かって、証人欄にサインして責任を持って、区役所に代理人として提出しよう」


「敦司様、お願いします」


「私は嵯峨派の家元だが、冬也君の次期家元継承する反対派を説得するコトが出来なかった。すまないな」

「敦司様が心を痛める必要ないですよ」


「これからどうするつもりだ?」


「夏芽やお義母さんには緑川家として慰謝料を準備致します」


「夏芽さんは実家に戻るの?」


「うん」


旦那様の逮捕でタワマンを出て行った新井さんに続き、私も出ていく。


私達の離婚届を伊集院様に預け、部屋に戻った。


「爺ちゃんの具合が余り良くないらしい・・・俺は実家に帰るけど、お前はどうする?」


「私は・・・」


冬也が実家に帰るとなるとこの広い部屋で私一人か・・・


「私も帰ろうかな」


実家に帰れば、もうこの部屋には戻らないかもしれない。





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