片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
冬也からの返事はメールではなく電話だった。


―――――何でお前が濱部副社長の部屋に泊まってんだよ?


そんなに親しくない、ましてや会社も違う人。
冬也が疑問に思うのは無理もないが、栗原さんのコトを話すと話がまた厄介は方向に行っちゃうし、副社長がどうしようと狼狽する私のスマホを取り上げた。

「もしもし、緑川。ウチの妻がお前の所の華道習ってんだ。知ってるだろ?久保川さんは少しでも華道を勉強しようと妻のレッスンを受けて、あれよあれよと帰り損ねちゃって…泊まったんだ」

そして大ウソを付き、冬也を納得させた。

副社長は私にスマホを返す。


――――――それ本当か?俺は何も訊いてないぞ



「・・・ゴメン」


――――――それならそうと早く言えよな



「じゃそう言うコトで。デートの件もいい?」


――――――別にいいけど。奥さんにお前の華道の腕を訊きたいし、いいぜ


「昨日から始めたばかりだから・・・全然上手くないって」


――――――まぁ、いい。切るぜ

冬也の方が先に切ってしまった。



「副社長、どうしましょう??」


「柾貴の所で偶然会ったとは言えないだろ?」


「栗原さんの所に行ってたの?」


「久保川さんってこう見えて、男遊びが激しいらしいぜ」


「栗原さんのとこには仕事で・・・」

「仕事でキスまでするか?」

「あれは・・・」
余計な人にマズい所を見られてしまった。


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