片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
小陽さんがその気になれば、男なんて皆虜になると思う。

でも、小陽さんは一途に副社長を愛して結婚した。


「これなんてどう?久保川さん」
小陽さんの選んだ服は紺の花柄ワンピース。
私は滅多にスカートを穿かないパンツ派。通勤服だって動きやすいパンツスーツが多い。

「これはちょっと・・・」
私は言葉を濁した。


「でも、似合うと思いますよ。久保川さん」
小陽さんは諦める処か、私にそのワンピースを強く勧める。


私は小陽さんの熱意に押され、そのワンピースに決めた。


「髪の毛もヘアアイロンで裾を巻いて、ユルふわにしましょ」


「えっ!?髪の毛は別にそのままで・・・」


「その方がワンピースもしっくりと来ると思います」


小陽さんのペースに押されてしまい、私は彼女の言われるままにワンピースに袖を通し、髪の毛まで弄られた。




< 76 / 359 >

この作品をシェア

pagetop