〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
まえがき


『付き合ってください』ってなんだろう。

相手の中身なんてまだ何一つ解って無いのに。

告白は突然だ。

何も考えない訳じゃ無いだろうけど、少なくとも即答できる理由は見てくれという事になるのか。

『彼氏、彼女』と名のつくモノが欲しいから。
彼氏、彼女居ますアピールの為か。

好きを押し付けて、自分のモノのように扱いたいだけなのか。

卒業したら終わりにしようと最初から決めてる。
その気持ちは本当に途中で変わらなかったのだろうか。

どんな感情も気持ちは移ろうもの。

限られた人の中で満足していたモノが、社会に出れば急に世界は拡がる。
要は、もっといい男、いい女と出会えるエリアが拡がるのだ。

制限無く探せると思っているんだ。

世の中の人、全てが対象だと勘違いしている。
生憎だが人には好みがある。

惹かれる相手のタイプが違う。
だからバランスがとれてカップルが成立しているんだ。

こんなに居るのに、どうして自分には声が掛からないの?

そしてやっと気が付くんだ。

好きだと告白してくれる人なんて、そうそう居るもんじゃないってね。

もしかしたら、口に出さず思いをよせてくれてる人が居るかも知れないが。

周りで結婚話もチラホラあがり始める。

焦っていない振りで、実はどこか、本気で誰かと居たいと足掻いている。

そして辿り着くんだ。

やっぱり、あなたが良かったって。

『やっぱり』ってなんだ。

...いい加減にしろ。

勝手過ぎやしないか。

終わりを告げておきながら、その挙げ句がこれなのか。

一度付き合った相手は、いつまでも自分の事を...好きだと思っているのか。

...他に相手は居ないとでも思っているのか。

...随分と都合のいい考え方じゃないか。

人の気も知らないで...。
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