〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
陽人、来てくれてた。
ご飯、きっとまだだろう。
ルームサービス、頼んでおく事も出来る。
迷った。
……気の利いた事はしないでおこう。…そんな女でいない方がいい。
ピンポン。
陽人、…早かった。陽人らしいな。
カチャ。
「はい」
「…入るぞ?」
「うん。
…あのね、取り敢えず、花火見ない?まだ始まったばっかりだから」
「ああ。折角だからな、そうしよう」
以前なら、わぁ綺麗ね、とか、ねえ、凄いね、とか…何も考えず口にして騒いでいただろう。
今はそれさえ言えない。
ただ無言で見続けた。
「…馬鹿だな、京」
「え」
「こんな時期に、こんなとこ予約するなんて、ぼられてるようなもんだ」
「うん」
「…うん、てなぁ。いいのか?」
「うん?」
「俺を呼び出して、こんな部屋に居る事、知ってるのか?」
「知ってる。でも部屋の事は知らない」
窓一杯に広がる花火は二人の顔も色鮮やかに染めた。
「おい…大丈夫なのか?後で発覚して揉めるなよ?」
「大丈夫。心配はしても…」
「こんな事されたらどうする」
「…陽人」
いきなり腰に手を回して引き寄せられた。