〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。
「…なんてな。冗談だよ。だけど迂闊だぞ?
場所も場所だし。気抜いて花火なんか見てるなんて。
全く…京らしいっちゃ京らしいんだけど。
……もっと警戒しろ。俺、逆に傷付くわ…」

「陽人…」

「幸せそうだな、京…。
この顔は愛されてる顔だ。肌の具合もいいし、…優しくされてるか?」

「うん」

「なー、よくもヌケヌケと…言うよな…。一応元彼だぞ、俺」

「だって、優しいのは本当よ?」

「解ってる。いい人で良かったな」

「うん」

「…おい」

「…あのね、陽人」

京、そんな顔するな。
とうとう本題が来たか…。

「陽人がいきなり終わりにしようって言ったのは、私のせいだよね?
私が寂しいからって、それで付き合って欲しいって言ったから。それがやっぱり嫌だったのよね。
そんな女が嫌になったのよね?」

……違う、そうじゃない。…そうじゃないんだ。
理由は別にある。
だけど、そうだと言ったら簡単だ。
京を傷つけて、京が悔やんで、そしてそんな事を気にして終わりにした俺の事を、なんの感情も無くなって忘れられる。
そうすれば、話は簡単だ。終わる。
京は鈍感だ。俺がそう言ったらそう信じるはずだ。

どうする、俺。
< 140 / 175 >

この作品をシェア

pagetop