〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

「俺らは警戒対象だよ。
そんな中にわざわざ飛び込む必要なんか無いさ。
それに、俺には会う理由も無い」

課長さんとは連絡を取る事は無い。
そう思って、会って話を済ませたらアドレスも消した。

楽しい仲間が集まって何かしようとするのとは違う。

会う為に計画を練ったところで最初から無理な話だ。
みんなの感情が微妙過ぎる。
こんな思いが消えない内は楽しむ手前の事だ。まだまだ難しい。

「康介。自然に接していればいいんじゃないか。
そうしたら、今までみたいに普通に会えて、普通に接する事が出来るじゃないか。
意識する気持ちはぶっ飛ばせ」

...。

もしかしたら、自分の気持ちに正直に、奪う気があるのか?...。

「解った。誕生日祝いは普通にしよう?」

「別に、そんなの、しなくていいよ。いい大人だし」

ブー...。
京...。

「康介、京からメールだ」

「あ...京?」

【陽人、今夜、空いてる?】

「今夜空いてるかって」

「それって...」

「ああ、多分、誕生日の事じゃないか...」

京、どういうつもりだろう。

【空いてる】

本当なら、空いてないというべきなのに、...俺もどうかしてる。

【その言い方、相変わらずね。嫌じゃ無かったら誕生日のお祝いしない?豪華なものじゃないけど】

【いいのか?どこでするんだ】

【いいよ。いいから都合聞いてるの。場所は家って訳にもいかないし、陽人ん家って訳にもいかないから】

【で、どこなんだ】

【相談なんだけど、康介さん家は無理かなぁ?
急だけど、康介さんも陽人の友達だし。
なんか、用があったら最初から無理な話なんだけど】

京、お前...、最初は俺と二人でしようとしてたのか?
いくらなんでも...それはダメだろ。
恋人でも無ければ、友達って関係にもまだなり切れてる訳でもないのに。
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