〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

「今度からはちゃんと聞くね?」

この場面、契約書を交わして、印鑑を握ったところか?

捺印してしまえば交渉成立だ。

なんの駆け引きだ。なぜ敢えて聞く?
気持ちはダメだと言っているだろ?解っているはずだ。
頑固だな...。

聞いたら、俺は、いいと言うと踏んでいる。
はぁ...。それが大人の対応だと知っているからだ。

いいと言うか言わないかは俺次第。
京、俺を甘く見るなよ。
そう来るなら敢えて言おう。

「ああ、そうしてくれ」

交渉成立だな。

はぁ...。まだこの先、やきもきしないといけない場面に遭遇するのか?
康介が京の事、小猫ちゃんと呼んだ事があったが...。
小さい黒猫かな。
しなやかにスルリと潜り抜けて、悪戯に子供のような顔で笑う。

はぁ...。

営業に出す事さえも憚れる...。
どれだけ心配すればいい。
知り合った相手企業の人との付き合いを、人として好きと言われたら、俺はなんて反論する?
こうなったら、外回りはずっと俺に同行だな。
...公私混同も甚だしい。

はぁ。また高遠にヤイヤイ言われそうだな。

プライベートな事に年上も年下も無いから。
好きなら、はっきりしなさいよねって。
とっとと入籍しちゃいなさいって、な。
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