〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

「陽人から聞いてたし、それに不思議な感覚で不安は無かった。
だって本当に心は女性なんだもん。あ」

「あ、って、なんだ」

「うまく言えないけど、女装してる時は女性で、メイクを落としたら男性っぽかった。当たり前かぁ。
でも危険は感じなかった」

そこだよ。俺も今だに掴みきれない。
アイツ、普通は普通の男なんだ。女装してる時は女なんだ…。
やっぱり、危ないんじゃないのか…。

それなのにアイツ、パン一で京と寝やがって。
やっぱり問い詰めないとダメだな。
場合によっては近付けるのは危険って事だ。

そうだ。女装はあくまで趣味なんだった。
女装家だ。
くそっ。危ないところだった。

「何もされてないか?よく思い出してみろ?」

「う〜ん。思い出すも何も、珈琲とケーキをご馳走になって、貸してあげるってあのベビードールに着替えさせられて…」

「ストップ。着替えはどうした?どこか部屋に入って一人でしたのか?」

「ううん。康介さんがあっという間に脱がせて、パパッて着せられた」

アイツ…。

「その時のアイツはどっちだ?」

「どっちって、アヤさんの姿よ?」

んん。…百歩譲ってセーフか…。しかし、アイツ、平然と京の下着姿を見た訳だ。

「…そうか。それから?」

「どうせ眠れないだろうから寝室に行って、話をしようってことで、ベッドに入った。
康介さんはメイク落としてシャワーして来るって」
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