〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

「…大丈夫だったか?康介。一緒に寝たんだろ?」

何も無いと思っても素のあの肉体を見てしまうと、気になってしまう。

部屋を知って訪ねたとは思えない。…どういった経緯だったんだ。

「なんでアイツの部屋に?」

俺は康介にまで妬くのか…。

「飛び出して…取り敢えず、エレベーターに乗るより階段を下りたの。
…陽人が追い掛けて来たら、エレベーターを待ってる間に追い付かれちゃうと思ったから。
一つ下りてから乗ろうかと思って」

…恥ずかしい。追い掛けて来てくれると思ってた、自惚れが恥ずかしい。

「そしたら、良く覚えてないけど、ぶつかったの。
通路というか多分康介さんの部屋の近くくらいだったと思う」

なんでアイツもウロウロしてたんだ?また俺の部屋を訪ねて来ようとしてたのか…。

「泣いてたし、洋服もなんだかちゃんと着れて無かったみたいで…とにかく入ってって言ってくれて。大丈夫だからって」

「大丈夫だからって言っても初対面だろ?女装してても男だろ?
警戒しなかったのか?迂闊過ぎやしないか?」

偽の女装家だったらどうする?
上手く連れ込まれて、今頃は目茶苦茶にヤラレてる。…心配だからって、あまり責ては駄目だ…。
まあ、俺の友人だと言ってあったし、説明もしていたけど。
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