〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

澤村さんとの話は終わった。
後は京に話をするだけだ。

今言う事は少なからず京を傷付けてしまうだろう。
それでも京のためだと思った。
傷付いたとしても、その傷は澤村さんがきっと癒してくれるだろう。
様子のおかしい京を見れば、誰より先に異変に気が付いてくれるだろうから。

終わりにしよう、と言ったら、あの時のように互いに認め合えるだろうか。
心に過ぎった事を口に出さず、ただ受け入れるだろうか。

多分、京は受け入れる。

自分が甘えて言ったことだからって、きっと思うだろう…。
そう思って、言いたい事、問い質したい事を…また飲み込むだろう。

本当の別れの意味は知らない。言わずにただ終わりにしようと言うから。
どう理解してくれても構わない。


俺はまた、…モヤモヤした日々を送る事になるだろう。
京と澤村さんが付き合った事を考えて。

清い交際になんてならないだろうから。

もしかしたら…結婚してしまうかも知れないな。はぁ…。
…それも仕方ない。…俺が決めた事だ。

何もかも京の人生だ。
京が決める事だ。

俺は強く居られるだろうか。…京…好きだ。
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