『美味しい』は『可愛い』より正義な件について
食後のコーヒーを飲み終えて、メジャー片手に健吾の背後に立つ。

(昔は背もそんなに変わらなかったのに、すっかり越されちゃったなぁ)

背中にメジャーを当てながらしみじみしてしまう。

やだ、これじゃまるでお母さんか近所のおばさんみたい…

苦笑しながらメモ用紙にサイズを書き込んでいく。

「健吾のマントは黒ね」

「そういえば瀬良に言われたな」

「そ!健吾が黒で、瀬良君が紫。当日はお客さん沢山連れてきてよね」

言いながら手を動かしていると、健吾が振り向いてこちらをジッと見ている。
< 59 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop