いつも隣に君がいた
電話越しに聞く修司の声は、いつもとどこか違って聞こえる。
「何してたの?」
なんていうか、声だけじゃなくて、調子までどことなく優しい感じがする。
いつものふざけたような、明るい感じとは少しちがう。
電話口からは修司の声しか聞こえなくて、その静かな空間に包まれる私たちの会話は、世界でたった二人だけ同じ時間を共有しているみたいだった。
「......寝てた」
「勉強しろ、勉強を!」
自分だって、帰ってから勉強なんてしないくせに
そんなことを思ったら、さっきまでの緊張がほぐれて急におかしくなってきた。
「何笑ってんだよ?」
電話の向こうで不思議そうな声の修司。
「何でもないよ。修司は何してたの?」