あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
もう…無理。
私は、ゆっくりと、唇を重ねる。
唇の輪郭をなぞるように味わう。
この人の唇を見ると…触れずにはいられない。
「友芽…それじゃ話せない」
固く閉じた唇…やっぱり…嫌がってる?
お願い…拒否しないで。
私を受け入れて。
愛してるのに…こんなにも。
「話さなくていい、黙って」
やっぱり…私じゃダメ?
「あなたは、こんなふうにキス、好きでもない人にしたりする?」
志賀くんが首を振る。
志賀くんは、かたくなに口を閉じて、私のキスには応じず表情も硬いまま。
私は、唇から、顎、首筋とゆっくりと触れていく。
彼の固い胸の上で手の動きを止め、
心音が聞こえるように、心臓の上にピッタリと耳を当てる。
彼の胸に顔を埋め、服の上からキスをすると、体がピクンとはねる。
彼が、くすぐったそうに身をよじる。
「ここにキスしたいの。逃げないで」