あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~
「どうするかって…」
「鍵を直さなきゃ、中に入れないよ」
と志賀くん。
「あっそっか…」
「友達のところにでも、泊めてもらいなさい」
大家さんが心配して言う。
おまわりさんにもそういわれた。
友人か…
絵梨いま彼と楽しく過ごしてるのに、邪魔したくないな。
私は、曖昧に返事をした。
絵梨とは仲良くしてるけど、過去の友達同士のトラブルから、私は、極端に女友達を頼ることを恐れてた。だから、素直に絵梨には頼めない。
まして、志賀くんちに泊めてくれる?
なんて頼むくらいなら、野宿したほうがましだ。
早坂さんには…絶対に無理だ。頼みたくない。
「あの…何とかするから。大丈夫」
志賀くんは、てきぱきと大家さんに言われたことをこなして、警官に事情を聞かれたときも、訳がわからなくなってる私の間に入ってくれた。
大家さんの言うとおり、鍵を直さないとすまないほうがいいらしい。
今日は、ここに居ないで、別の場所に行ったほうがいいということだ。