あなたの背中に恋してる~奥手な男子の攻略法~

リビングには、小さな明かりだけがついていて、家の中はしんとしていた。リビングには誰もいない。志賀くんは、自分の部屋に行ったのだろう。


私は、志賀くんの部屋の前で、彼に会えるんじゃないかとしばらく立っていた。

ノックして彼の顔を見たかった。

志賀くん…
部屋の中から出て来ないかなと、廊下に移動してじっとしていたけど、もう遅い時間になって、あきらめて自分の部屋に戻った。


布団に入っても、眠れなかった。
この頃、やっと近づけたと思ったのに、また、遠くなってしまった。

今は、あんなとこ見られたら、口をきいてくれるとは、思えない。


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