可愛い弟の為に
「でも思ったよりもネチネチじゃなくて良かった」

桃ちゃんは僕に言う。
そりゃ、ね。
貴重な休みを潰して動いたしね。

これで大暴言とかあれば僕は暴れるよ。

「まあ…色々とね」

これも僕しか出来ない役回りだ。

「兄さん、ありがとう」

透。
その笑顔で僕は報われた。

「あんな奴らの話にイチイチ付き合ってられんよ。
頭は良くても人間性が悪すぎて…
そんな毒牙にハルちゃんは殺られて欲しくないし。
まあ、ハルちゃんの顔を見てほとんどは満足していると思うよ」

透が選んだ人だもの。
誰にも文句は言わせないさ。

言ったら…桃ちゃんが鬼の形相をして、皆の黒歴史を暴露する。

「さあ、いつまでも飲んでるオッサン連中は放っておいて帰ろう」

僕はハルちゃんを見て、微笑んだ。

随分、疲れているな。
早く、帰らせないと…

「お疲れ様。
今日はゆっくり休んで」

僕は透の肩を叩いた。
そして桃ちゃんの手を取り、部屋を出た。



「明日は当直ですので、今日はこれにて失礼します」

僕はオジサン達に挨拶に行った。

もうね。
こんな酔っ払い達、相手したくない。



「桃ちゃん、ドライブにでも行こう」

「えっ、明日当直じゃ…?」

「いいのいいの。あの人たちから逃げる口実。
透達も僕が帰ったら帰りやすいでしょ?」

桃ちゃんが嬉しそうに僕の手を握り締めた。
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