可愛い弟の為に
外が明るくなってきた時

一瞬、彼は目を開いたかのように見えたが、モニターは完全に平坦になった。

僕は深呼吸をすると死亡判断をする。

全てのチェックを終えて、ご両親に

「午前6時50分、死亡を確認いたしました」

と、告げた。



こんな事、本当にたまらない。

僕は家では会ったことがないけれど。

透は何度か連れて来ていて自分の家にも遊びに来た子がこんな風に亡くなっていくなんて。

普通、考えられないよね。



頬に涙が伝った。

この場にいる誰にもわからないように拭う。



今までこなしてきたどんなに忙しい当直よりも、重く、辛かった。
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