可愛い弟の為に
「至先生」
病室を出てようやく休憩に入る。
食堂で産婦人科医の江坂先生に会った。
この先生は僕より少しだけ年上で僕達兄弟をいつも何かと気に掛けてくださる。
「透先生の噂、本当ですか?」
「…どういう噂ですか?」
この病院で出る噂話ほど怖いものはない。
思わず聞き返す。
「透先生の彼女が自殺未遂を図って運ばれたって」
…桃ちゃんが作ってくれたチビッ子おにぎりをもう少しで噴水しそうになった。
「…ゲホッ。
な…何故、自殺未遂なんですか?」
強烈な噂話、しかも全くの嘘だ。
「いつまでも結婚してくれない透先生に業を煮やして」
…ハルちゃんがそんな事をする激情型の人間ではない。
「僕が知っている彼女が昔のままであるならば、真逆のタイプですよ」
どちらかというと、透よりも気が長くて、おっとりしている。
「昔…?」
僕は頷いて
「20年くらい前に別れた彼女なんです。
相思相愛だったのに…母が別れさせたのです」
ああ、これを思い出す度に胸が痛い。
ハルちゃんのあの時の泣き顔がいまだに焼き付いている。
「それ以降、一回も会わなかったのに。
救急外来で再会したのです」
「…そうだったんですね」
江坂先生も何か感じる事があったみたいで
「お二人とも、フリーなんですかね?」
と、気にし出した。
「今の透は仕事命で、誰もいません。
彼女も名前が変わっていないから結婚はしていないと思います」
「そうなんですね。
透先生のお見合いの断り方を院長先生がお嘆きになられていたので何かあるのかな、と思っていましたが…。
きっとその時の事を根に持っていらっしゃるのですね」
僕は大きく頷いた。
「ではこれが透先生にとってラストチャンスなのかもしれませんね。
私も何か出来る事があればお手伝いしますよ」
何と!
思わぬところで産婦人科部長1ゲット!
「ありがとうございます!」
思わず目が輝いた。
病室を出てようやく休憩に入る。
食堂で産婦人科医の江坂先生に会った。
この先生は僕より少しだけ年上で僕達兄弟をいつも何かと気に掛けてくださる。
「透先生の噂、本当ですか?」
「…どういう噂ですか?」
この病院で出る噂話ほど怖いものはない。
思わず聞き返す。
「透先生の彼女が自殺未遂を図って運ばれたって」
…桃ちゃんが作ってくれたチビッ子おにぎりをもう少しで噴水しそうになった。
「…ゲホッ。
な…何故、自殺未遂なんですか?」
強烈な噂話、しかも全くの嘘だ。
「いつまでも結婚してくれない透先生に業を煮やして」
…ハルちゃんがそんな事をする激情型の人間ではない。
「僕が知っている彼女が昔のままであるならば、真逆のタイプですよ」
どちらかというと、透よりも気が長くて、おっとりしている。
「昔…?」
僕は頷いて
「20年くらい前に別れた彼女なんです。
相思相愛だったのに…母が別れさせたのです」
ああ、これを思い出す度に胸が痛い。
ハルちゃんのあの時の泣き顔がいまだに焼き付いている。
「それ以降、一回も会わなかったのに。
救急外来で再会したのです」
「…そうだったんですね」
江坂先生も何か感じる事があったみたいで
「お二人とも、フリーなんですかね?」
と、気にし出した。
「今の透は仕事命で、誰もいません。
彼女も名前が変わっていないから結婚はしていないと思います」
「そうなんですね。
透先生のお見合いの断り方を院長先生がお嘆きになられていたので何かあるのかな、と思っていましたが…。
きっとその時の事を根に持っていらっしゃるのですね」
僕は大きく頷いた。
「ではこれが透先生にとってラストチャンスなのかもしれませんね。
私も何か出来る事があればお手伝いしますよ」
何と!
思わぬところで産婦人科部長1ゲット!
「ありがとうございます!」
思わず目が輝いた。