可愛い弟の為に
「今日、退院です。おめでとうございます」

検査結果も自分が思っていた通りに数値が改善されていて、2日後に退院となった。
実は僕、寂しかったりする。

「淡路さん。
次は一度、経過観察で外来で診察したいと思います。
また火曜日に来てもらえますか?
それと仕事はそれ以降に復帰してくださいね」

とりあえず、外来で経過観察だ。

「はい、ありがとうございます」

ハルちゃんは深々と頭を下げた。
僕も頭を下げて部屋を出る。



胸に穴が空いたような、そんな気分だ。
あれ、何だろ、この感情。
このままで大丈夫なんだろうか。
なんて未練たらしい感情。
あとは透に頑張って貰うしかないのに。



僕は内科外来に向かう。



心が震える存在と出会い、別れるときはまた心が震える。
後ろ髪をひかれるような、そんな感じ。
そんなに関わっていない僕でさえそう思うのに、透はもっと感じているだろうな。

この切ない気持ちを。
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