ルームシェア
なんとか時間も潰し、適当だと思われる夕暮れ時に私は家に辿り着いた。
「ただいま」
そう部屋の中に声を掛けたが、返ってくる返事がない。と言うことは、住人不在を示している。
「宝生さん、出掛けたんだ」
ほっり、夕焼けに染められたひっそりとしたリビングで呟いた。私は何となく気が抜けた様にパタリとソファーに座り込んだ。
何やってるんだろ?私。なぜかそんな思いに捕らわれる。
宝生さんがこの部屋に居なかった事がそんなにショックなのかな?よく自分にも理解できない感情が胸の中を埋め尽くす。が、ぼんやりしている場合じゃあない。
ふと洗濯物が目に飛び込んで来たからだ。
そうだ私、洗濯物を干しっぱなしで出掛けたんだ。
洗濯物を干しっばなしで出掛けたなら、そう遅い時間に戻るなんて思わない。だとしたら、宝生さんは今頃彼女さんと外で……。
そこまで考えてはっとした。私何考えているんだろ?宝生さんだって男なんだし……。
自分の気持ちが段々と分からなくなる。宝生さんはきっぱりと私の事を好きにならないと告げたのに、だけど私の気持ちはどんどん宝生さんに傾いてる。
宝生さんもああ言った割には惑わす行動も多いし。でも……
考え事に夢中になってしまったからか、もう当たりは夜になる準備をはじめている。
私は冷たくなった洗濯物をかき集めギュッと抱き締めた。