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私が勤めてる会社もそこそこ名の知れた企業だ。けど『楢崎商事』もそれに負けず劣らず名の知れた企業で。


だけどまさか、そんな企業のご子息が私達の会社に居るなんて思わなかった。
だから「知らない」だけじゃあ済まされない事だったんだと今なら思う。



『ねぇ、何が目的なの?お金?それとも社長夫人?かわいい顔してやることが恐いわね。
どうやって、手なずけたの?身体?…本当、どうしてこんな子…』



いつだったか、お昼休みを終えデスクに戻ると会議室に私だけ呼ばれた。そこに居たのは私は知らない年増の女の人で、その人に散々小言を言われた。


えげつない事も、もう聞くに絶えないような事まで延々と。




ただ『すき』だけでは、私も楢崎くんもダメなんだ。と初めて感じた。


彼のしがらみを知らなかった私は本当に無知だった。

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