君が好きになるまで、好きでいていいですか?
分かりやすぅ…………。






「これで、先方との話し合いは成立しましたので、その報告書です。後、次の原案についての打合せ日程表です………って聞いてます?……………………課長?」


デスクに座り、難しい顔をして高石の書類に手を伸ばしながら、パソコンを叩く後藤を覗き込む高石
机の上にはファイルの束が積まれている


「あ、ああっ………決まったんだったな、分かった後は高石に任すよ。」


「はい…………?」



明らかに疲れた様子でパソコンを睨む後藤を、営業部1課の面々が心配そうに見つめる



「おい…………大丈夫か?後藤課長。いくらなんでもオーバーワークだろ最近………」

「ああ、ムロイ工業の件でだいぶトラブってるのを部長から丸投げされたんだろ。あれは山吹常務ガラミだから無下にできないし…………」


1ヶ月前に山吹常務が得意先から請け負った案件が、なかなか先に話が進まずに企画からの案もことごとくボツにされ、それでも決まればこれからの社運を賭けた仕事に無理を承知で取り込んでいた。




会社の中心で営業を担う第1課

只でさえそれぞれ自分の案件を抱えて、他の仕事まで手が回らない社員ばかりな為、
後藤課長に丸投げされたその仕事に手を出すことも出来ず、
さらに部下の仕事の確認からスケジュール管理、会議、接待、デスクワークと毎日ほぼ午前様帰りになってしまう。


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