君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「ダメよ、さっきお昼ご飯と一緒にかき氷食べたじゃない琉成……」

いきなり主任にねだる琉成君に一喝する環さん


「大丈夫、大丈夫。かき氷とアイスは、成分が違うからなぁ。パパが買ってやるから店員さんとこ行こうっ」


「わぁいっ!パパ行こう」

主任が琉成君の手を引いて嬉しそうにアイスを買いに行った


「もぅ……本当に甘いんだから………」

困った様に溜め息をつく環さん


へえ………親バカなんだぁ。なんか意外



「なんかご免なさいねぇ。勝手にお邪魔しちゃって………」

結局万由が座っていた席にみんなで座ることになった

「いえっ、どうせ一人でぶらぶらしてるだけで、暇ですから全然」



店内のカウンターでアイスを選ぶその姿は本当に仲の良い親子そのもので、
その二人を見つめるこの人ともとても離婚した夫婦には見えない…………


「…………ん?」

あ、ヤバイあんまり綺麗だったから見つめ過ぎちゃった

「すみません、なんか主任が意外過ぎて…………それになんで別れちゃったんだろうって」

わわわっ私ったらなんて事を………!!

「ふふふっ………もしかしてまだあの筋書きで通ってるの?私たちの離婚話」

筋書き?

「社長秘書に手をだして子供が出来たのに、由哉君が浮気して私が離婚を突き付けたって」

クスクスと笑いながら話す

「…………ちっ違うんですか?」


その時、なんとなくふわりと風がふいた

「そのせいで、副社長から降格させられたんだって聞いてたけど、会社でやっぱり女子社員からはまだ最低男って、レッテル貼られたままなの?」


………おっしゃる通りです

なんとなく目を逸らしてアイスコーヒーを飲んだ

「でも、なんかそんな風に思えなくて。
主任って、言うことは確かにチャラいこともあるんですけど、浮いた話も出てこないし、仕事も出来る人だと思うし…………」


そう言う私をニコニコと嬉しそうに笑顔を向ける環さん

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