君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「あ、でも結構ファンはいるんですよ。やっぱりなんと言っても社長の甥っ子だし、時期社長候補はまだ消えたわけじゃ無いですから」

ああ………なんか私ったらまた、訳の分からない事を


「万由ちゃんは由哉君の事、ちゃんと見ていてくれているのね。」


環さんは溜め息をついてテーブルに頬杖ををしながら万由の顔を覗き込んだ


「由哉君が浮気して離婚って言うのはやっぱり無理があると思うのに、勝手にそうゆう事にしちゃうんだもん。全部私のせいなのに………」


「ママぁ~!みてみてすごいよぉ」


店内のカウンターから三段に重ねたアイスを嬉しそうに見せてゆっくりこちらに笑いながら歩いてくる主任と琉成君

そんな二人に手を振りながら「気をつけて」と心配そうに見つめる



二人がこちらに歩いてくるのに小さい声で、
もう一度万由に早口で話す

「彼のためには本当の事を言いたいんだけど、
琉成のために、無理して由哉君が父親って筋書きをくれたから…………
だから本当は何も悪くないって事を、万由ちゃんみたいに、由哉君の事を分かってくれる人には、嫌わないでいてくれたらいいんだけど………」


「え…………それって」


「もぅ………誰がこんなに大きいアイス食べるのよぉ」

三段重ねのアイスは、確かに5歳の琉成君には食べきれない

「ママと、パパと、僕でみんなで食べるんだよ」

嬉しそうにそう言う琉成君の言葉に、
一瞬主任と環さんが寂しそうな顔を見せた

「本当に美味しそうね。」


やっぱり仲のいい家族にしか見えないや……

でも、さっき環さんが早口で言った話だと
琉成君って、主任の子じゃないの………?

でも………主任と琉成君って似てるんだけど


社長秘書だった環さん………


解明してはいけない答えが、そこに有るような気がする




< 133 / 333 >

この作品をシェア

pagetop