君が好きになるまで、好きでいていいですか?

「…………病院」


「病院?」

慧斗が眉をひそめて聞き返す


「そう、病院の産婦人科にいた」


「産婦人科って………あ」

直ぐに何となく解ったのか、目を逸らし、口を手で覆って考え込んだ

「たまたま用事があって、偶然見掛けたから声を掛けたけど…………」


「……………」

視線を落としたままの慧斗


「慧ちゃん………?」

自分を落ち着かせる為なのか、ゆっくりと大きな溜め息をついた

「…………万由の大事な話ってその事?」


向かい合ったテーブルの前で、コクンと頭を下げた


「…………和音、なんて?」


「……………」

明らかに顔色が変わった慧斗の様子に、なんだか不安になった

やっぱり言っていいものなんだろうか


でも、このままでいいはずはない………


「妊娠してるみたい…………でも下ろすって」


「…………っ」



暫く二人に沈黙が漂った

「慧ちゃん?」

項垂れながら、頭をうつ伏した慧斗

「…………ごめん」


何が『ごめん』なのか、今ここに見たことのない慧斗がいる。

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