君が好きになるまで、好きでいていいですか?
ミーティングルームを出て、デスクに戻ると、すでに定時を過ぎていて
歩美さんや事務の女子達はもう、制服を着替えるためロッカールームへ行ってしまっていた。
万由も、急いで片付けをして、ロッカールームに向かった
「…………総合職かぁ」
やっぱりピンとこない。まず自分で考えてと言われたが、そんな思考材料がない。
ここは歩美さんに相談してから考えた方が楽なような気がする
なんとなく頭を抱えながら部署をでると、廊下の向こう側から後藤がこちらに向かって歩いてきていた
屋上で名刺を返して以来、そう言えば朝も来ないし、それから顔を合わすのは初めてだ。
万由は、すれ違う前に軽く会釈をした
え…………あれ?
「浅野先輩っ」
後藤はそのまま、まるで万由が目に入らなかったかと思うように通り過ぎ、その先にいた浅野主任に手を振って呼び止めた
「……………」
通り過ぎたその後ろから浅野主任と後藤の談笑する声が聞こえた
ま、そりゃそうだよね………
再びロッカールームを目指していくと、その前ですでに着替えを済ました歩美と、数人の企画部女子事務員たちの固まりがあった。
「どっか行くんですか?」
輪の中にいる歩美に話し掛けた
「万由、遅かったね。何言われてたの?
まさか、セクハラされてたんじゃ無いでしょうねぇ」
冗談半分にいきなり言うことか?
「違いますよぉ。ちょっとこれからの仕事の事で………歩美さん話できます?」
そう言って引き留めていると、他の先輩達が歩美を呼んだ