私がアイツに恋する時。



「もう……来ることないと思うよ。」

「え、そうなの?まぁ……賀菜嫌がってたもんね。」



雄介君に気にするなとは言われたものの……。


『この卑怯者。』


どうしても中林の言葉が引っかかる。

今までは何言っても近づいてきたのに。

急に怒ったりしたのはどうして?


お前が好きになるまであきらめないとか言ってたクセに。


……。


いや!嬉しいんだよっ?



「賀菜ー。移動だよ?準備!」

「あ…ああ。」


秋穂にせかされ準備をして教室を出た。


 
『よっ!おはよー♪』


そんな毎日の声が後ろから聞こえてこない。


なんだかそれが不思議に思えた。



……もしかして、今日は休みなのかな?


移動教室に行く前にこっそりと中林のクラスの教室を覗く。


そこにはいつもと変わらない中林の姿があった。



……やっぱり…怒ってるんだ。


「どーしたの?僚太のことが気になるの?」



バカ………。

雄介君に気にするなって言われたばっかなのに。



「ううん。違うよ。なんでもない。行こ。」



なんであいつのことなんか考えてるんだろ……。


どうして……あんな奴……。


でも……ちょっと言い過ぎた部分もあったかな……?

謝った方がいいかも?



怒らせたわけだし……。


まぁ昼休みにでも謝りに行こ。


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