それでも君を愛せて良かった



「ファビエンヌ…!
遅くなってごめんよ!」

僕が部屋に入ると、彼女はほっとしたような顔で僕を出迎えてくれた。
きっと、僕がなかなか来なかったから心細かったんだと思う。
僕は彼女の身体を抱き締め、いつものように長い接吻を交わし、昨日突然やって来た兄さんのことを話した。



「……そんなわけで、やっと兄さんが眠ったから出て来れたんだ。
本当にごめんね。
あ、そうだ、早く綺麗にしてあげなきゃね。」

僕は、タオルでいつものようにファビエンヌの顔を拭き、そして、しなやかな金の髪を梳かし付けた。



「……ファビエンヌ…
身体も綺麗にしようね…」

僕は彼女のドレスをゆっくりと脱がせ、彼女のなめらかな背中を丁寧に拭いた。
彼女の肌は、拭いているうちにどんどん滑らかさを増し、陶器の腕や脚と変わらない程、つややかで弾力のある肌になっていた。
それは、陶器の腕や脚よりも人間らしい。
背中から肩、首とゆっくりと拭き上げて、僕は彼女の前面に座った。
もう何度かちらちらと見てはいるものの、その度に僕の全身は恥ずかしさで熱くなる。
その気持ちを押さえ、僕は彼女の柔らかな肌をタオルで拭った。
見ないように…見ないようにと気を配りながら…だけど、本当の気持ちは裏腹で……



「あ……」

不意にタオルが滑り、僕の手は彼女の胸にあたってしまった。



「ファビエンヌ…もうだめだ。
我慢出来ないよ。」



僕は、ファビエンヌを押し倒した。
……いつもこうなる。
彼女の身体を綺麗にしていると、いつも気分が高揚して、つい…
だけど、彼女はそのことをいやがってはいない。
彼女も僕を欲しがっている。
僕達は、誰よりも深くお互いのことを愛しているから、きっとこれは自然なことなんだ。
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