それでも君を愛せて良かった
***




「父さん、いいかげんにしろよ。
もう、四日だぞ!
アベルがいなくなって四日も経つんだぞ!」

「……まだ四日だ…」

「そんなこと言って…あいつが取り返しのつかないことでもしでかしたらどうするつもりなんだ!」

「な、何だと!
取り返しのつかないとは…あいつが…あいつが、まさか自分で命を断つとでも言うのか!?
人形を壊されたくらいでそんなこと、まさか…」

「何言ってんだ。
十分ありうることだぜ!
父さん、あんたはやりすぎた。
あの人形は、アベルにとっちゃただの人形じゃなかったんだ。
人間になるなんて思いこむほど大切な人形だったんだ。
それを壊されて、あいつがどれほど大きなショックを受けたかわからないぞ。
いくらなんでもあんなことすべきじゃなかった。
まずはアベルを医者にみせるべきだったんだよ!
今更そんなこと言ったって仕方ないけどさ……
とにかく、アベルを探そう!」

二人は、友人・知人の手を借り、アベルの行方を探したが、アベルの姿は一向にみつけることが出来なかった。
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