上司がキス魔で困ります

 なんか今、生来の卑屈精神があやうく大爆発するところだったわ。

 こういう意味ないこと問いただして良悟さんを困らせたくないと思ったばかりなのに。私のバカ……。


「めぐ、今のは」
「ニャーン」


 良悟さんが何かを言いかけるのと、蘭ちゃんの部屋から出てきたまめさんが、私の足に豊満なボディを擦り付けるのはほぼ同時だった。


「あ、まめさん。部屋から出てきたんだね」


 だから私は良悟さんの声を聞かなかったことにして、まめさんを抱き上げ立ち上がった。


「ネコがいたのか」
「紹介が遅れました。私の妹分であるまめさんです」
「初めまして。音羽良悟です」


 良悟さんは真面目な表情で立ち上がると、礼儀正しく私に抱き上げられたまめさんを見下ろし、手の先を握って握手をする。



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