上司がキス魔で困ります
「すみません、私の出したそれ、見てくれてたんですね」
「謝る必要はない。俺が今日中に出せと言ったんだ。翌朝一番に春川くんに返すのが俺の仕事だ」
さっぱりした様子で応える課長。
本当にそう思っているようで、少し不思議そうに私を見つめている。
確かに音羽課長のいうことはもっともだ。だけどなかなか現実問題それを実行できるかっていうと難しいと思う。
課長ってすごいかも……。
今まで単に仕事ができる人なんだなぁとしか思ってなかった自分がちょっと恥ずかしい。
「春川くん、そんなすまなさそうな顔をしなくていい」
「や、でもやっぱり気付かなかっただけで、今までそうやって助けてもらってたんだなぁと思いまして」
すると音羽課長はふっと表情を緩めて、椅子に座る。
「そう思うなら、日頃の感謝の気持ちを込めてご褒美を貰おうか」