パンプスとスニーカー
 「「……はっ!?」」




 思わず、美紀とハモって顔を見合わせてしまった。


 もちろん松田は友達だ。


 むしろ2年生になってから友人になった美紀とは違って、大学の入学式で顔を合わせて以来何かと親しい相手。


 しかし、いくら友人でも恋人でもない異性の部屋に泊めてもらうほどひまりはサバけてはいないし、美紀の顔を見れば、美紀の認識も似たようなものだとわかる。




 「さすがにそりゃあないでしょ、マツ」

 「え?」

 「同じアプローチするにしても、それってドン引きだよ」

 「「えっ!?」」




 今度はひまりと松田がハモって、互いに顔を見合わせ、ひまりと目があった松田の顔がみるみる赤みを帯び、ブンブンと顔を横に振りまくり出す。




 「ち、ち、違うっ!」

 「武藤ッチもダメだよ?いくら松田が生真面目で朴訥なヤツでも、しょせんは男なんだからさ」

 「いや、さすがにあたしもそれは」

 「だから、違うって!邪な気持ちなんかねぇよっ!!」





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