パンプスとスニーカー
 「…………」

 「…………」

 「…………?もしもし?」




 固まってるひまりの目の前で、美紀が上下に手をヒラヒラと振る。

 ハッとわれに返った。



 
 「ううえっ!?そ、そ、それ、ほ、ほ、ほ、ホントッ!?」

 「いや、遅いでしょ、その反応」




 真っ赤になってテンパってるところもおかしいが、その反応の鈍さもおもしろすぎると笑われてしまった。




 「武藤ッチ、変なヤツ~ぅ」

 「むらちゃ~ん。カラかわないでよ」




 クスクス笑う美紀の様子に、冗談だと思ったが。




 「いやいや、マジだから」

 「……え」 




 とたんに再び固まってしまう。


 …松田君が?あたしを?え?本当?




 「本当に気がつかなかったんだねぇ」
 


  
 気がつかなかった。




 「武藤ッチって、話してみるとけっこう話しやすいし、人嫌いしないから、もうちょっとシャレっ気あったら、けっこうフツーにモテる方だと思うよ?」




 褒められたのだろうか?


 それとも貶された?


 勉強とバイトで忙しくて、自分をカマってこなかった自覚はあるので、ひまりもそこのところは怒れない。


 それなのに、だ。


 …まいった。




 「勘違いじゃないの?」

 「沢やマルちゃんたちだって、知ってるって。知らないのはホント、本人だけ?」

 「う~~~」





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