探偵の彼に追跡されて…
「美野里?君に誤解されるような事になっていたなんて知らなかった。すまなかった…」

沙汰郎は頭を下げた。

「誤解?」

「俺は聡美、あの女とは結婚していない。勿論、今後も結婚するつもりもない。俺が結婚するのは美野里だけだから」

「だって一条さんと…」

「ちゃんと美野里に話さなかった俺が悪いんだけど、実は」

沙汰郎はお母さんの事や会社の事を全て話してくれた。

「美野里を早くお袋にも会わせたかったけど色々片付いてからの方が良いと思ってね」

「それでお母様は?」

「大丈夫。皆んな片付いたから、もう誰も俺達を邪魔する者は居ないよ?だから俺の元へ帰っておいで」

沙汰郎から嬉しい言葉が聞けた。
私はあなたの元へ帰れるのね?

「うん」

沙汰郎は私の返事を聞いて側に来ると私の手を握ってくれた。
そして左手薬指に大きな愛を誓う印を嵌めようとしたが…
嵌らなかった。

「美野里太った?それとも浮腫んでるのか?さっき園長先生が体に良くない。と、言って居たけど、どっか悪いのか?俺が来た時も美野里は病院に行ってるって聞いたけど…」

「ううん…実は…」

私は沙汰郎の手を私のお腹に当てる。

「ここに沙汰郎の赤ちゃんが居るの」

「マジ?」と聞く沙汰郎に私が頷くと

「あの時の?」

そう。最後にあなたと愛しあったあの日よ。

「やった!!美野里有難う!」と抱きついて来て座っていた私に覆いかぶさる。

「沙汰郎!!赤ちゃんが!」

「あっごめん!」

沙汰郎は慌てて離れると私のお腹に顔を近づけて

「赤ちゃんゴメン?大丈夫か?俺がパパだぞ!今まで側に居てやれなくてゴメンな?これからはずっと側に居るからな… ゴメンナ…」

沙汰郎…

沙汰郎は涙を流して居た。





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