探偵の彼に追跡されて…
一条さんに請求書を渡してから2週間、私はパソコンで【WSHI法律事務所】から入金の確認をする。

「えっー!! 何これ!?」と私はビルの外まで聞こえるほどの大きな声を上げる。

パソコンで口座への入金の確認をしたら私が作った請求書の金額と余りにも違い、【WSHI法律事務所】からの振込明細のメールを確認したら必要経費欄に

(特別経費 ワンピース代)324,000円 となっていた。

「嘘でしょう!? あのワンピースが30万???」

私は驚いて所長の部屋へノックも忘れて活きよいよく扉を開け駆け込みテレビゲームをしている所長の前に立つ。

「所長! あの、ワッワンピースが30万って! どういう事!? あんなの貰えません!!」

所長は突然部屋に入って来てすごい剣幕で話す私から仰け反り目を丸くして驚いている。

しかし所長は何も言わない。と、言うより何も聞こえていないのだ。

所長はテレビゲームをしている事が私にバレないようにヘッドホンをはめているからである。

私はそんな所長にイラッとしてヘッドホンをむしり取る様に外す。

「所長!!」

「はっはい!!」

活きよい良く返事をする所長に私は、呆れてしまう。

もう… この人は… 

「お返ししますから!」

「ん? 何を?」

所長はなんの事だか分からないようだ。

そりゃーそうだよね今まで聞こえていなかったんだから。

「あのワンピース30万もするんじゃないですか!? いくら何でもあんな高価な物頂けませんよ!」

「うーん でも返されてもね… 俺が着る訳にいかないし… 返品も出来ないよね? 美野里ちゃん一度着ちゃったでしょう? じゃー他の人にあげるって言ってもねぇ? 一度着た物を他の人にプレゼントしたらドン引きされないかな?」

所長は眉を下げ困ったかの様に言い

「美野里ちゃんどうしたらいいかな?」

と机に頬づえをついて見つめる。

所長の甘いマスクに見つめられると胸がキュンとなって何も言えなくなる。

この人、自分の甘いマスクが武器だと分かっててやってるんだから酷い人だ!

でもそんな事分かっていても私の胸はキュンとなっとしまう。

あーん、もう! この人は妻子持ちなのよ! と、自分に言い聞かせる。




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